期間工しながらFIREを目指したいんだけど、
ぶっちゃけ可能なのかな?
FIREと期間工の相性はかなり良いです。
でも期間工ループには注意点があるから気を付けて!
期間工ループ、それは期間工で気楽に稼げる一方でそのぬるま湯から逃げ出せなくなる恐ろしい沼でもあります。
しかし期間工ループも使いようによってはFIREの心強い味方となります。
今回は、期間工ループとFIREの親和性、そしてその注意点についてご紹介していきます!
期間工ループ自体はFIREと相性が良い
期間工ループは短期的に見れば気楽に稼げる点がメリットですが、長期的には以下のようなデメリットがあります。
- スキルが身に付かず、他の仕事に就きにくくなる
- 定年(60代)まで働くことはほぼ不可能
しかし、FIRE達成を目的とした期間工ループではこのデメリットが無くなります。
期間工の仕事・待遇が気楽すぎて、他の仕事に就くのが馬鹿らしいと感じてしまうのは「期間工ループあるある」です。
しかし今回の目的はFIRE。
期間工を卒業=会社員生活からの卒業なので、他の仕事に就く必要がありません。
スキルが身に付かなくても、どの道FIRE後に使わないスキルなので問題無し。
また、60代になれば期間工として働くのはまず不可能です。
しかし、FIREのために期間工ループをすれば、「詰み」状態になる前に十分FIRE可能です。
期間工の入金力であれば早ければ数年でセミリタイア達成、長期でも15年前後で5,000万円以上の資産を積み上げることが出来るでしょう。
そもそも、定年は決められた年齢ではなく、自分自身でリタイアする歳を決めるのがFIRE流です。
では期間工ループからFIREを目指すうえでの注意点を見ていきましょう
祝い金ハンターはやめた方が良い
そもそも祝い金ハンターとは?
入社祝い金は、期間工がメーカーに入社した最初の契約期間内に支給される、いわば入社ボーナスです。
企業によっては最大で50万円以上支給されることもあるので、期間工選びの際にはとても重要視されています。
入社祝い金はたいていの場合、初回契約3-6カ月の間に全額支給されます。
しかし、短期間で各メーカーを渡り歩くことで「最初の旨み」を何度も受け取ろうとする人もいます。
このような入社祝い金目当てで入退社を繰り返す人を「祝い金ハンター」と呼びます。
祝い金ハンターを繰り返すと職歴が終わる
「そもそも期間工にキャリア形成もクソも無いわ!」なんて意見もごもっとも。
ですが、会社目線で考えると祝い金ハンターなんて雇いたくありません。
せっかく高額の祝い金を支給し、寮を手配し備品を与える。
恐らく1人の期間工を新規で雇い入れるのに数百万円単位のコストが掛かっているはず。
それを無碍にするかのように短期退職を繰り返していれば、面接で「どうせ今回もすぐ辞めるんだろ」って思われても仕方ありません。
最初は入社祝い金でガッポリかもしれませんが、繰り返せば採用される企業が少なくなっていきます。
結果、目標資産までたどり着く前に採用されなくなってしまうバッドエンド。
そうならないように祝い金ハンターになるのは避けましょう。
期間工ループをするのであれば、最低でも1社あたり1年~1.5年あたりは継続しておきたいですね。
もう目標資産達成まであとちょっと!
ってなったら祝い金ハンターも許容できるかもです。
失業保険は途中で使わないように
失業保険は簡単に言えば、失業中の人が生活費の足しにするために貰える保険金のことです。
通常、正社員が自己都合退職の後に失業保険を貰おうとすると、退職後3か月ほど待たなければいけません。
しかし、期間工の場合は期間満了だったとしても会社都合退職なので、待期期間がたったの7日です。
退職後すぐに貰えるワケですね。
だから期間工を辞めたら失業保険を貰い無職生活を満喫、失業保険が切れたら再び期間工に。
そんな生活も可能です。
しかし、FIRE目的の期間工ループの場合、途中で失業保険を貰うのは非常にもったいないことになります。
結論から言えば、失業保険はFIRE達成直後に貰うのが一番オススメです。
FIRE達成直後が最も危険な時
期間工ループを何度も繰り返し、やっとのことで目標資産を達成しついにFIRE!
さあこれからFIRE生活を満喫するぞ!って時が最も資産が危険にさらされる瞬間です。
4%ルールの前提となるS&P500は過去約100年の平均リターンは8.8%です(1928-2023)。
しかし単年で見ると最低▲47.07%(1931年)、最高+46.59%(1933年)と大きな振れ幅があります。
万が一自分がFIREした直後にこの規模の暴落が起きてしまったらどうなるでしょうか?
例えば1億円の資産でFIREし、4%ルールに従い毎年400万円を取り崩す計画だとします。
初年度に50%の暴落で資産は5千万円に半減。
400万円取り崩せば4%ルールは一瞬で崩壊します。
下落相場が数年続けばあっという間にFIRE失敗です。
悠長にFIRE生活をエンジョイなんてできる状態ではありません。
これを専門用語ではシークエンス・オブ・リターンリスクと呼びます。
詳しい説明は割愛しますが、「引退直後に暴落が来たら詰んじゃうよね」というリスクのことです。
この対策として、暴落期間中に資産から生活費を取り崩さなくても良いように対策を講じなければいけません。
具体的には、株式などの流動資産とは別に、数年分の現金や別の収入源を持っておくことです。
ここで活かせるのが失業手当です。
失業保険は現金確保の回答のひとつとなる
失業保険は退職直前の6か月間の給与を基に支給額が算出されます。
期間工の場合、1日当たり5~6,000円程度。
月額にして15~18万円ほどが相場となります。
こちらのサイトから失業保険の簡単な計算が可能です。
そして給付期間は今までの雇用保険の加入期間の長さによって決められます。
加入期間が1年程度と短ければ90日間しか支給されませんが、社会人生活10年以上となると270日間まで延長されます。
1年未満 | 1~5年 | 5~10年 | 10~20年 | 20年以上 | |
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | 該当なし |
30歳~35歳 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳~45歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳~60歳 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳~65歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
しかしここで大きな罠があります。
一度失業保険を受け取ってしまうと、それまでの雇用保険の加入期間がリセットされてしまうのです。
そのためもう一度失業保険を貰おうとすると、雇用保険はまた1年目から貯め直しに。
期間工ループの度に失業保険を貰おうとすると、いざFIRE!って時に貰える失業保険が短期間になってしまいます。
(そもそも何度も失業保険の認定が貰えるかは疑問ですが……)
前述のとおり、FIRE直後に暴落が来た時の予防策として別の収入源を持っておくことは非常に大切です。
失業保険なら最長で330日間の支給があるため、ほぼ丸1年分の生活費がカバーできます。
S&P500の過去100年の歴史では、5年以上続いた暴落はありません。
暴落時用の生活防衛資金のうち1年分を失業保険で補えるのは非常に心強いです。
FIREの成功をより確実なものにするためにも、失業保険は最後まで利用せずに取っておいた方が賢明でしょう。
※Side FIREやBarista FIREの場合は支給条件が一部異なります。
経歴に応じてメーカーを選ぼう
経験のある企業へ出戻りも選択肢のひとつ
期間工という職業の最大の欠点は不確定要素が多いことです。
配属工場・仕事内容・寮環境・残業の多さ・人間関係……。
ソシャゲのガチャのように当たり外れの差が激しいのが特徴。
せっかく稼げると思ったら残業が少なくて全然稼げない。
めちゃキツイ工程に配属されて続けられない。
こんな可能性も十分にあり得ます。
だから、ある程度妥協or満足できる待遇の時はなるべく長く続けた方が良いです。
また、退職後も6か月間のクールタイムを空ければ同じメーカーに入社することも可能。
確実とは言えませんが、経験者は同じ工場や部署に再び配属になる可能性もあります。
未経験の場所でイチからスタートするよりも、勝手を知る古巣の方が働きやすいのも事実。
面接時に経験者アピールすると良いでしょう。
また、メーカーによっては経験者手当が支給されるところもあります。
具体的にはトヨタや日産では最大10万円、スバルでは最大15万円も支給されるので無視できる金額ではありません。
主なメーカーの経験者手当(前回の契約期間満了の長さによって異なります)
- トヨタ……1~10万円
- スバル……5~15万円
- 日産……5~10万円
- デンソー……1万円
本当に「当たり」だった場合は正社員登用を目指しても良いかもしれませんね。
その場合は、期間工ループを続けた時と正社員になった時で、どちらがよりFIREに近づけるかのシミュレーションを怠らないようにしましょう。
高齢になれば派遣工も視野に入れて
募集要項に明記されたり公言されている訳ではありませんが、やはり歳を取ってくると期間工の採用はされにくい傾向があります。
実際、トヨタの期間工募集HPでもボリューム層は2-30代。
50代以降になると割合は大きく下がっていますね。
期間工は肉体労働なので、若年層の方が有利なのはゆるぎない事実です。
若ければ将来の正社員になる可能性もあるので、40代後半以降はかなり不利になります。
一方で派遣工の場合はメーカーの直接雇用ではなく派遣会社を通しての就業。
派遣工だったら高齢者でも比較的採用が緩い傾向にあります。
もし面接に通りづらくなってきたと感じたら、派遣工としての勤務も視野に入れた方が良いかもしれませんね。
もちろん、案件によっては直接雇用の期間工よりも派遣工の方が待遇が良いパターンも存在します。
どちらがトータルで稼ぎやすいか、じっくり比較検討してみましょう。
期間工ループ中に無職期間を挟まない
期間工は最長で2年11カ月の有期雇用契約です。
そのため、どんなに稼げる・居心地の良いメーカーでも、満了して退社する時が来ます。
満了した後、すぐに別のメーカーへ期間工ループするのであれば問題無いです。
しかし、1か月以上の無職期間を作るのは絶対にオススメしないです。
理由は大きく分けて2つあります。
まず1つ目に、収入が無い=投資の追加投入が出来ないのはもったいないからです。
私が推奨している投資はインデックス運用であるため、日々の入金力が結果に大きな差を生みます。
無理なリスクを負わず、コツコツリターンを得る代わりに、毎月出来るだけ沢山の貯蓄を投資に回すのが着実な期間工FIREです。
せっかく期間工で毎月の入金力が上がっていたのに、無職期間は積立てスピードが下がること。
そして寮に入っていないので生活費も嵩むのでデメリットだらけです。
2つ目に、長い無職期間はFIREに対する熱意を冷ましてしまいがちだからです。
1週間程度の休憩タイムであれば大丈夫ですが、長い間無職に慣れてしまうと、
「気楽だしこのままでいっか~~どうせ次も期間工ループだし笑」
こんな風にFIREへの渇望心が薄れてしまいます。
疑似FIRE体験も良いかもしれませんが、本来の目的を忘れないように!
まとめ
いかがだったでしょうか?
期間工ループは「沼」にハマってしまうと抜け出すのが大変ではあります。
しかしFIREという目的意識を強く持てば、誰でも着実にFIRE達成へ近づくことのできる強い味方にもなります。
期間工ループも失業保険も、FIRE達成のために上手に使うのがコツです。
これからも期間工ループでコツコツ資産を積み上げていきましょう!
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